近年、都市部での住宅事情が変化してきています。特に若者や単身者の間で、一人暮らしよりも共有スペースを持つコリビング(共同生活)が人気となっています。コリビングは、一人暮らしでは得られないさまざまなメリットを提供してくれます。
この記事では筆者のコリビング実体験に基づいて、コリビングとはどんなものなのかを紹介していきます。
コリビングとは
コリビング(co-living)とは、異なる世帯や個人が一つの建物や施設内で共同で生活するライフスタイルやその空間のことを指します。コリビングのコンセプトは、個人のプライベートな空間(例:寝室)と、共有のリビングスペース、キッチン、ランドリーなどの共用スペースを組み合わせることにあります。
コリビングに住むにはやはりリモートワークがおすすめ!
まだリモートワークじゃない、新しい働き方に会社が全く対応していないという不満をお持ちの方は、ぜひこれを気に本気で転職を考えるのも良いのではないでしょうか?まだ仕事に活かせるITスキルを持っていない場合は、一旦自分で本などで勉強するか、手っ取り早く自分に合ったスクールに通うこともおすすめです。
コリビングの特徴
コリビングは、都市部の若者を中心に人気が出てきており、一人暮らしの寂しさを解消したり、新しい人々との出会いの場を提供するとともに、家賃の節約などのメリットも享受できるライフスタイルとして注目されています。世界ではノマド 仕事にも人気のため、デジタルノマド 国を中心に増えてきています。以下がコリビングの特徴です。
社交的な環境
コリビングは、住民間の交流やコミュニケーションを促進することを目的としています。多くの施設では、共有スペースでのイベントやワークショップなども開催されています。
経済性
一人暮らしや従来の賃貸よりも、家賃や生活費が抑えられるケースが多いです。
柔軟性
短期間の滞在や、家具付きの部屋など、従来の賃貸とは異なる選択肢が提供されることが多いです。
共用スペースの活用
キッチン、ランドリールーム、リビングなどの共用スペースが提供され、それぞれの住民がこれらのスペースを共同で使用します。
おすすめコリビング
Goodroom
goodroomはサブスク型賃貸サービスです。とても簡単に借りたり短期最短2週間からの利用が可能で、ワークスペースやサウナなども充実しています。
コリビングが人気な理由
それでは、コリビングはなぜ注目を浴びてきているのでしょうか?以下の理由が考えられます。
高騰する都市部の家賃
都市部の家賃が上昇し続ける中、コリビングは経済的に魅力的な選択肢として2.30代の若者を中心に単身者からも注目されています。
都市部やリモートワークの孤独感
都市部では一人暮らしの人々が増加しており、またリモートワークの 仕事をする自宅ワーカーも増え、孤独感を感じる人が増えています。コリビングは、そのような孤独感を和らげる場としても機能します。
流動的なライフスタイルの普及
現代は、転職や移住などで生活の場所を頻繁に変える人が増えており、柔軟に住居を選ぶことが求められています。コリビングは、契約の柔軟性や設備が整っている点で選ばれることが多いです。
共有経済の普及
AirbnbやUberといった共有経済のサービスが人々の生活に浸透してきており、物やスペースを共有する文化が広がっています。その流れを受け、住居においても全てを個人で所有していくのではなく、共有の価値が再認識されてきています。
コリビング体験談
筆者はエストニアとマルタのコリビングアパートに住みました。
エストニアは4年と長く住んでいると本当に小さい国のため、行きたい場所やレストランも無くなってきて、コミュニティや人も限られてくるのでコリビングできた新しい友人や、さまざまな国の同じような価値観を持った人々と話せることはとても刺激的で楽しいです。
マルタのコリビングはエストニアよりも入居前に面談があったり、家賃も少し高めでしたがその分比較的に社会的なレベルが高い方々に出会うことができ、ビザや税金のことなども勉強になりました。
どちらの施設にも、そのまま現地の会社に時々通いつつもリモートワークで働いたり、デイトレーダーや完全に独立したデジタルノマドの翻訳者、ITエンジニアやドローン関係の起業家や他の国の会社で働くリモートワーカーのセールスマン、自身の様なブロガーや年金受給者のフリーダムな人までいて、本当になかなかできない経験や聞けない話をお酒を飲みながらしたりしました。
初めは戸惑うことも多いですが、コミュニティマネージャーもきっと助けてくれるはずです。迷っているなら、ぜひやってみることをおすすめします!
コリビングのメリット
コリビングには筆者も気に入っているメリットがたくさんあります。1つずつ詳しく紹介していきます。
社交的な環境の提供
コミュニティ形成
コリビングは、住民同士の交流を重視して設計されています。共用のリビング、キッチン、ラウンジなどは、住民たちが自然に集まる場として機能します。これにより、リモートワークやフリーランス、都市生活における孤独感を軽減するとともに、ビジネスのパートナーを見つけるチャンスも生まれます。新しい友人を作ったり、共通の趣味や興味を持つ人々とつながることもできます。一人暮らしでは感じられない、居心地の良い雰囲気が広がっています。
筆者の住んでいたエストニアやマルタのコリビングアパートでは、それぞれの得意とする分野を教え合ったり、ボードゲームやバレーボールチームを作ったりしてコミュニティができていっていました。
イベントやワークショップ
多くのコリビング施設では、住民の交流を促進するためのイベントやワークショップが定期的に開催されています。これにより、共通の趣味や興味を持つ住民同士が深い関係を築くことが可能となります。筆者のアパートでは共有スペースでは、他の住人との交流やコミュニティ活動が盛んに行われていました。専用のWhatupグループ(日本でいうLINEグループ)があってアパートの運営会社が主催するBBQや卓球トーナメントイベント等があってみんなと仲良くなったりしました!
共用施設による経済的な節約
家具・家電製品の共有
コリビングの最も魅力的な特徴の1つは、コストの削減です。日本だと特に、1人暮らしを始めるときに家具などを買い揃えないといけないですよね。コリビングでは共有スペースに家具や家電が備えられていることも多く、初めての一人暮らしの人にとっては大きな負担を減らすことができます。
高品質な施設
コリビングでは、ジム、映画鑑賞ルーム、ランドリー、キッチンなど、一般的な賃貸物件では提供されないような施設が共用として利用できます。これにより、外部のジムやランドリーを利用するコストを節約できるだけでなく、住環境の質も向上します。
共有スペースにはキッチンや洗濯機、トイレなどが完備されているため、自宅での生活と同じように快適に過ごすことができます。また、セキュリティ対策も万全であり、安心して生活することができます。
光熱費やインターネット料金の分担
多くのコリビングでは、光熱費やインターネット料金が共同での支払いとなるため、一人暮らしよりも負担が軽減されます。
家賃や公共料金の透明性
筆者は海外で他の個人のオーナーから家を借りた時、外国人だからこの国の法律も知らないだろうということで、本来借主が払わなくてよい金額を請求し続けられたことがありました。
コリビングスペースは基本的には会社が運用しているので、そのような個人オーナーにぼったくられることはありません。筆者が暮らしてきた場所はとても明朗会計で、契約書も個人オーナーとのものよりもシンプルで明確でした。
気分転換や仕事への集中
一人よりも仕事に集中できる
例えば、受験勉強を図書館へ行ってした経験などはないでしょうか?近くで仕事をしている人がいると一人でいるよりも周りを見て頑張らなきゃ!集中しないとと思って効率的に仕事ができたりする場合もありますよね。上司や部下でもないので仕事の合間にたわいもない話をするのも楽しい時間のひと時です。
気分転換
部屋は完全にプライベート、共同スペースやワーキングスペースを利用して仕事をする所と気分転換に場所を分けることもできます。座ってばかりだと体も疲れてくるので、途中でジムで筋トレしたりと、メリハリの良い健康的な生活も送りやすくなり、仕事や課題が捗るでしょう。
コリビングのデメリット
コリビングのメリットは多い一方で、いくつかの課題点やデメリットも指摘されています。以下のような問題点を回避するために、入居前に施設のルールやコミュニティの特性をよく理解し、自分のライフスタイルに合った施設を選ぶことも大切です。
プライバシーの問題
個人の空間が狭い
コリビングは共有する空間が多いため、プライベートの部屋は狭いです。2人やカップルで住む場合は個人の時間や空間がより制限されることがあります。特に、共用エリアでの会話や生活音が気になることがあるため、プライバシーを重視する人には不向きかもしれません。
部屋の構造
一部のコリビング施設では、個室の扉がカーテンや薄い扉であったり、完全に音を遮断する構造でないことがある。そのため、隣の部屋の音が気になる場合もあります。また、ホステルのような感じになるので壁の作りも薄いことで、プライベートの部屋にいても隣の音がよく漏れてくることもありました。
人間関係のトラブル
住民問題
コリビングはコミュニティを形成するための施設ですが、住人同士の価値観や生活スタイルが合わない場合、トラブルが発生することがあります。例えば、筆者が暮らしていたコリビングでは共有の掃除機がいつもどこの階にあるのかわからない、共有スペースの物が盗まれることが多発したなどがありました。
対人関係のストレス
一般的な賃貸アパートやマンションとは異なり、日常的にプライベートで多くの住人と交流する機会が増えるため、人間関係のストレスが増えることも考えられます。
共用部分の管理やルールの問題
清掃の問題
共用部分は多くの住人が使用するため、清掃やメンテナンスが大切です。しかし、住人同士の清掃の取り決めが不明確であったり、守られない場合、衛生的な問題やトラブルの原因となることがあります。マルタでシャワーが共有だった時は、利用した後の匂いが気になるなどがありました。
ルールの遵守
コリビングには共同生活のためのルールが設けられていますが、それを守らない住人がいると、他の住人との間に不満やトラブルが生じる可能性があります。共有スペースのルールで深夜までパーティーを開催しないなどがあるのに、遅くまで大きな声で開催されていて眠れなかったなどの不快感を味わったことがあります。
コリビングの最新トレンド
コリビングの最新トレンドについて解説します。
デジタルノマド向けアパート
リモートワークの普及に伴い、異なる場所で働くデジタルノマドたちのためのコリビングスペースが増えてきています。Wi-Fiや共同作業スペースを完備した施設が人気を集めています。
テクノロジーの活用
スマートホーム技術の導入やアプリを利用した共用部分の予約・管理など、最新のテクノロジーがコリビングの運営や日常生活に取り入れられています。筆者が住んでいたコリビングアパートもデジタルロック式で、入居や退去時も鍵の受け渡しも返却もなくとても便利でした。
多様なライフスタイルの受容
LGBTQ+のコミュニティをサポートするコリビングや、特定の趣味・興味を共有する人々のための特化したコリビングなど、多様なニーズに応える形でのコリビングの提供が増えています。
ハイブリッドスペースの出現
コリビングだけでなく、カフェやコワーキングスペース、フィットネスジム、プールなどの複数の機能を持つ施設が増えてきています。これにより、住む場所が多機能的なコミュニティスペースへと変化しています。
👉「コワーキングスペース とは」別ページで詳しく解説しています。
コリビングの歴史
コリビングの概念は現代において注目されているものの、実は共同での生活は新しいものではありません。歴史的背景を追えば、人々が共同で生活する文化は古くから存在しています。
古代から中世
古代の共同体や中世の修道院、僧侶の共同生活など、特定の目的や信念を共有する集団が共同で生活する例は多々ありました。これらの共同生活は、信仰や生活のルールを共有することが前提となっていました。
20世紀初頭
20世紀初頭、特にヨーロッパやアメリカでは、共同ハウスや学生寮といった共同生活のスタイルが人気を博しました。これは、経済的な理由や社交の場としての機能が背景にありました。
1970〜80年代
この時期、アメリカやヨーロッパではコミューンやエコヴィレッジといった、環境や平和、アートをテーマとした共同生活が流行しました。
2000年代以降
都市部の家賃の高騰、都市生活における孤独感の増大、共有経済の普及などが背景にある中で、コリビングが都市部を中心に注目されるようになりました。テクノロジーの進化やワークスタイルの多様化もコリビングの普及を後押ししました。
現代のコリビングは、単に経済的な理由だけでなく、交流の場やコミュニティの一部としての機能が強調されています。デジタルノマドやフリーランスの増加、リモートワークの普及といった背景も、コリビングの需要を高めています。
コリビングの可能性と今後の展望
現代のコリビングは、新しい価値やニーズに応える形で進化しています。これからもノマドワーカーやリモートワークが増え、コリビングの需要は高まっていくことでしょう。
コリビングの魅力を一言で表すとしたら、「共有する喜び」です。他の人と一緒に住むことで、新しい発見や学びがあります。一人暮らしでは味わえない経験を通じて、より豊かな生活を送ることができたことを実感しています。人が好きな方、人との関わりが減って同じような価値観を持つ新しい関係の人がほしい方には本当にコリビングがおすすめです!
コリビングについてよくある質問
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Qコリビングとは具体的にどのようなものですか?
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A
コリビングは、異なる世帯が一つの建物や複数の物件内で生活を共有するライフスタイルのことを指します。個々にプライベートなスペースが確保されている一方で、リビングやキッチンなどの共有スペースも存在します。
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Qコリビングの主なメリットは?
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A
社交的な環境の提供、共用施設を使用することでの経済的節約、また、独立したプライベート空間を持つことができる点が挙げられます。
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Qコリビングのデメリットや注意点は?
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A
プライバシーの問題、人間関係のトラブル、共用部分の管理やルールの遵守が必要となる点が挙げられます。
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Qコリビングの家賃は一般的な賃貸より高いのですか?
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A
地域や施設の内容、サービス内容によりますが、一般的には共用施設を利用することでカフェで仕事をすることなどを考えると、全体的なコストを抑えることができることが多いです。
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Qコリビングの契約期間はどれくらいですか?
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A
コリビング施設によって異なりますが、短期から長期までさまざまな契約形態が用意されています。普通の賃貸を借りるよりも簡単な場合が多いです。
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Qコリビング施設内でのペットの飼育は可能ですか?
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A
施設によってはペット可の場所もありますが、事前に施設側との確認が必要です。
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